当院の虫垂炎の手術
1.国内外でも豊富な手術実績
院長はこれまでに国内外合わせて10000例を超える手術に参加しております。
2.腹腔鏡を用いた創が小さい手術
手術は腹腔鏡を使用しており、小さな切開で済みます。
3.術後の痛みが少ない術式を採用
切開創が小さいため、術後の痛みも少なく、低侵襲な手術です。
4.麻酔の工夫で術後回復が早い
2種類の麻酔を使用し術中の痛みを軽減し、早期回復が見込めます。
虫垂切除手術は、従来、右下腹部を5〜10 cm切り、虫垂をお腹の中から摘出していましたが、近年主流である腹腔鏡を使用した手術(単孔式腹腔鏡下虫垂切除術)では、小さな穴から腹腔鏡を挿入します。単孔式腹腔鏡下虫垂切除術では、おへその穴の創のみで虫垂を取り除きます。そのため、おへその穴と見分けがつかないくらい傷口が小さいのが特徴になります。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
単孔式腹腔鏡下虫垂切除術とは?
単孔式内視鏡手術は、穴を1つのみ開けて、手術器具と内視鏡を入れる方法です。これは、高度な技術を必要とします。一般的な内視鏡手術は、穴を3つほど開ける必要があります。しかし、単孔式内視鏡手術では、穴を1つのみ開けます。さらに、切り口がおへそにあるため、傷口も目立ちにくいメリットがあります。
当院の虫垂炎手術
通常は3-4つ穴をあけ、腹腔鏡手術を行いますが、当院ではおへそに2㎝の創+2㎜の創で行うため、術後の回復が早いです。また、圧倒的に開腹移行率が低いです。日帰り手術で行う以上、必ず腹腔鏡で行うよう心掛けておりますし、そのノウハウもあります。
虫垂炎の手術費用
手術費用は全国同じになっています。保険診療で治療を受けていただけます。日帰り手術は、入院費用がかからないため、費用を抑えられるメリットがあります。加入済みの保険と年齢により、自己負担額が決定されます。また、年収ごとに応じて、高額療養費制度の限度額が設けられています。
1割負担 | 3割負担 | |
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虫垂炎の腹腔鏡下手術 | 約28,000円 | 約84,000円 |
虫垂炎とは
虫垂炎は、虫垂が細菌に感染し、化膿性炎症を起こす状態です。盲腸といわれることも多いですが、近年は急性虫垂炎と呼ばれています。虫垂炎は、4歳以上の小児や成人に発症します。10〜20歳代に多いと報告されています。また、白人や若年男性の発症率が高いといわれています。 虫垂炎の原因は、はっきりと分かっていません。原因としては、虫垂の入口に便が詰まることや腸内細菌による二次感染が考えられています。
虫垂炎の症状
よくある症状としては、右下腹部の痛みがあります。右下腹部の痛みは、押すと痛みが激しくなります。進行した際には、歩行時にも激しい痛みを伴いますし、救急車を呼ぶ方も少なくありません。また、症状の出現は、みぞおちの痛みから始まることもあります。高度の虫垂炎では、下痢を伴うこともありますので注意が必要です。
虫垂炎の診断
虫垂炎の診断には、触診や血液検査、腹部超音波検査、CT検査を行います。また、お腹の触診からも診断できます。血液検査は炎症反応や白血球を確認し、腹部超音波検査では、虫垂の腫れや他の疾患の有無を調べます。虫垂炎と同様の症状が現れる疾患には、大腸憩室炎やウイルス性回腸末端炎、女性の場合には骨盤腹膜炎、右の卵巣の炎症・軸捻転、子宮外妊娠があります。なお、CT検査に関しては、1階のメディカルスキャニングで行うことができます。
虫垂炎の治療
虫垂炎は突然発症します。炎症を放置すると、腸閉塞や汎発性腹膜炎を起こす恐れがあるため、従来は急性虫垂炎と診断されると開腹手術を受けていただいていました。しかし、近年では、画像診断や抗生剤の進歩により、初期治療として抗生剤投与を行うことが一般的になってきました。炎症が抑えられた後に腹腔鏡を使用し、待機的虫垂切除を行います。なお、激しい痛みや膿瘍がある場合には、速やかに手術を受けていただいたほうが良いケースもありますので、自己判断をせずにまずはご相談ください。
痛みを抑えられた際の手術の必要性
保存的治療法を受けて、痛みを抑えられた際には手術は必要か尋ねられることがありますが、保存的治療法を受けられて、完治した方の半数に再発されているという報告もあります。再発のきっかけは、抵抗力や体力が低下した際に起こりやすいといわれています。そのため、体調が回復された時に、計画的に手術を検討されることを推奨しています。
よくある質問
虫垂の箇所を教えてください。
虫垂は大腸の一部分です。右下腹部の臓器を指します。
盲腸と虫垂炎の違いは何でしょうか。
虫垂炎は盲腸といわれることがあります。しかし、盲腸は病名ではなく、大腸の一部分のことを指します。
虫垂炎と類似している病気は何でしょうか。
虫垂炎と類似している病気には、大腸憩室症や憩室炎があります。憩室は盲腸付近によくみられるため、炎症を生じると違いが分かりにくいです。このような際には、お近くの医療機関でCT検査を受けていただき、診断を行います。
虫垂炎はどのような症状が現れますか。
初期段階では、お腹のむかつきやみぞおちの痛み等が現れます。時間経過とともに、右下腹部に痛みを生じます。さらに進行すると、お腹全体に広がります。また、嘔吐や発熱、下痢、食欲不振等を伴うこともあります。
虫垂炎の原因は何でしょうか。
明確な原因は分かっていません。リンパ組織や便の塊、腫瘍等が虫垂の入り口を塞ぐことにより、細菌感染を起こすためといわれています。痛みを生じる要因にもなります。
虫垂炎になりやすいのはどのような人ですか。
虫垂炎は年代を問わずに、発症する可能性があります。特に、10~20代が発症しやすいといわれています。
虫垂炎になるとどのよう治療が行われますか。
虫垂で穿孔が起こる可能性が低く、症状が軽ければ、抗生物質を用いた薬物療法を行います。薬物療法で改善を期待できない際には、手術を検討していきます。薬物療法で治療した患者様の約10~35%に、虫垂炎の再発が認められている報告があります。
虫垂炎の予防は可能でしょうか。
虫垂炎の原因は、明確には分かっていません。そのため、しっかりと予防することは難しい現状があります。便の塊が虫垂の入り口を塞ぐことにより、虫垂炎を発症すると報告されています。虫垂炎の発症を防ぐためには、食物繊維を多く含んだ食事を摂ることを推奨しています。